
J:COMは、ネット回線やテレビ視聴のサービスを特別価格または無料で利用できる「J:COM In My Room」を提供しています。特に基本使用料無料の物件では、大家さんとJ:COMが契約を結び、工事費用・使用料を大家さんが負担しています。
しかし、無料または特別料金で利用できるとはいえ、実際の回線速度や品質が気になるところです。そこで今回は、J:COMの320Mbps(上り10Mbps)のネット回線を24日間、1時間ごとに測定し、その実態を詳しく解説します!
J:COM In My Roomとは
J:COM In My Roomは、集合住宅にお住まいの方が、インターネットやテレビサービスを特別価格や無料で利用できるプランです。物件自体がJ:COMと提携しているため、入居者はお得にサービスを受けられます。
- 無料プランの特徴(ネット無料物件)
- 物件のオーナーが工事費・使用料を負担
- 入居者は申し込みだけで利用開始可能
- ネット回線やテレビ視聴サービスが含まれる
なぜ無料なのか?と疑問に思った人もいると思います。このプランは、「J:COM」「物件オーナー」「入居者」三者それぞれにメリットをもたらすビジネスモデルとなっています。
まず、J:COMにとっては契約者数の増加とサービス提供料による収益が見込めます。物件オーナーにとっては、「インターネット無料物件」という付加価値により物件の競争力が高まり、入居率の向上と退去率の低下が期待できます。そして入居者は、通常より安価にインターネットサービスを利用できるというメリットが生まれることになります。
このように、J:COM、物件オーナー、入居者の三者にとって互いにメリットのある win-win-win なサービスとなっております。
測定環境と方法
- 使用機器:
- マザーボード:PRIME Z270-A
- OS:Windows 10
- ルーター:HUMAX HG100R-02JG
- 接続方法:有線LAN
- 測定条件:
- J:COM LINKやスマートフォンなど他の機器も接続
- ネット回線の使用状況によっては速度が変動
- 測定方法:
- Windows上でWSL2を使用
Speedtest CLI
とcrontab
で1時間ごとに自動計測- 毎時11分に計測
- 測定サーバー:「Allied Telesis Capital Corporation – Sagamihara」
- 測定期間:
- 2022年10月23日~2022年11月15日(24日間)
- データ数:518回
速度測定は、JCOM LINK やスマートフォンなどの端末を接続した状態で実施されます。そのため、ネットワークの使用状況によって、測定結果が実際の速度より低く表示される可能性がございます。
本物件はJCOM日野・八王子エリアに所在しており、1Gbps(上り100Mbps)対応の回線設備が導入されています。ただし、現在の契約プランは320Mbps(上り10Mbps)となっております。
測定結果
測定結果のグラフになります。

最小値 | 最大値 | |
ダウンロード | 140.7 Mbps | 237.9 Mbps |
アップロード | 5.83 Mbps | 10.1 Mbps |
おまけ
Ping値の平均 |
24.98 ms |
結果から
下り(ダウンロード)
ゴールデンタイム(19時~22時)でも大幅な速度低下は見られず、安定した通信ができます。
JCOMのインターネット回線は、同軸ケーブルを各居室まで個別に引き込み、専用ルータを設置する方式を採用しています。これにより、一般的なインターネット無料物件でよく見られる共有LAN方式とは異なり、極端な速度低下を回避することが可能です。
動画視聴に関して具体例を挙げますと、YouTubeの4K画質コンテンツでも、30Mbps程度の速度があれば快適に視聴することができます。そのため、本回線は日常的なインターネット利用において十分な性能を備えていると考えられます。
実際に、筆者も2年間にわたって本サービスを利用してきましたが、特に問題なく快適に使用することができました。
上り(アップロード)
速度測定の結果、ほとんどの時間帯で上り速度は契約最大値である10Mbps程度を記録しています。全518回の測定のうち、9Mbps未満となったケースはわずか2回にとどまりました。
本サービスは、同軸ケーブルを使用したインターネット(HFC)の技術的特性上、上り(アップロード)の帯域幅に制限があります。そのため、下り(ダウンロード)速度と比較して、上り速度が大幅に低い契約内容となっています。
YouTubeへの動画アップロードなど、大容量データを頻繁にサーバへ送信する必要があるユーザーにとっては、上り速度の制限が支障となる可能性があります。
Ping値
本回線のPing値(通信の応答時間)は平均24msとなっており、これは一般的な水準と比較してやや高めの数値です。参考として、オンラインゲームにおいては50ms以上の遅延が生じると、ゲームプレイにおけるタイムラグや遅延が顕著に感じられるようになると言われています。
この比較的高めのPing値は、本サービスの技術的特性に起因しています。具体的には、同軸ケーブル方式のインターネット回線では、光ファイバーから同軸回線への変換が必要となるため、その分の遅延が発生します。
そのため、FPS(First Person Shooter)など、通信速度や応答性がプレイヤーに大きく影響するオンラインゲームを主にプレイされる方には、より低遅延な光回線の導入を検討すると良いでしょう。
どのような人におすすめか?
JCOMのIn My Room 320Mbpsの契約は、YouTubeやNetflixなどの動画視聴やウェブサイトの閲覧が中心の方や、LINEやTwitterなどのSNSで日常的な投稿を楽しむ方にもおすすめの契約です。
また、インターネット代の節約にも繋がりますので、月額費用を抑えたい方にもおすすめです。
以上、JCOM 320Mbps契約の速度測定結果でした。
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